25.12.02
【2025年】職場で実現する効果的なインフルエンザ感染症対策と空間デザイン

新型コロナウイルスの流行以降、私たちの働き方や生活様式は大きく変化しました。
2025年を迎えた現在でも、感染症対策は企業や店舗運営における重要な課題として位置づけられています。
厚生労働省の調査によると、事業所における感染症対策の継続実施率は約78%に達しており、その中でも物理的な感染防止策として注目されているのがパーテーションの設置です。
しかし、単にパーテーションを設置すれば良いというわけではありません。
適切な素材選び、設置場所の選定、空間デザインとの調和など、効果的な感染症対策を実現するためには専門的な知識が必要です。
不適切な設置は空気の流れを阻害し、かえって感染リスクを高める可能性さえあります。
本記事では、パーテーション専門メーカーであるアイピック株式会社の知見をもとに、科学的根拠に基づいた効果的なパーテーション設置方法から、具体的な導入事例、そして投資対効果まで、実務に即した情報を包括的に解説します。
感染症対策と快適な空間づくりを両立させたい経営者、施設管理者の方々にとって、実践的なガイドとなる内容をお届けします。

パーテーションによる感染症対策の科学的根拠
飛沫感染防止における有効性のエビデンス
国立感染症研究所が2024年に発表した研究データによると、適切に設置されたアクリルパーテーションは飛沫の拡散を約85%以上抑制することが実証されています。
特に対面での会話や接客シーンにおいて、パーテーションは目に見えない飛沫の移動を物理的に遮断する最も確実な手段となります。
飛沫は通常、咳やくしゃみで約2メートル、通常の会話でも約1メートルから1.5メートルの範囲に拡散します。
パーテーションを適切な高さ(デスク上60センチメートル以上)と幅(対面者の肩幅より広く)で設置することで、この飛沫の移動経路を効果的に遮断できるのです。
東京大学医科学研究所が実施したシミュレーション実験では、透明アクリル製のパーテーションが最も高い飛沫遮断効果を示しました。
これは素材の表面が滑らかで、飛沫が付着しても容易に除去できることに加え、透明性によって視覚的なコミュニケーションを妨げないという利点があるためです。
さらに重要なのは、パーテーションの設置が従業員や顧客に「安全な環境」という心理的安心感を提供する点です。
リクルートワークス研究所の調査によると、適切な感染対策が実施されている職場では従業員の心理的ストレスが約42%軽減されたというデータがあります。
この心理的効果も、パーテーション設置の重要な価値の一つといえるでしょう。
空気の流れと感染リスクの関係性
パーテーション設置において見落とされがちなのが、室内の空気の流れ(気流)への影響です。
日本建築学会の研究では、不適切なパーテーション配置が空気の滞留を生み出し、エアロゾル感染のリスクを高める可能性が指摘されています。
特に天井まで完全に遮断する固定式パーテーションは、換気効率を大きく低下させることがあります。
効果的な感染対策を実現するには、パーテーション設置と換気システムを一体的に考える必要があります。
理想的なのは、デスク上60センチメートルから120センチメートルの高さのパーテーションと、適切な換気(1時間あたり2回以上の空気交換)を組み合わせる方法です。
この組み合わせにより、飛沫は遮断しながらも空気の流れは確保できます。
環境省が推奨する「効果的な換気とパーテーションの併用」では、空調の吹き出し口と吸い込み口の位置を考慮したパーテーション配置が重要とされています。
特にオフィス環境では、空調機器の気流を遮らない位置にパーテーションを設置することで、室内全体の空気循環を維持しながら感染リスクを低減できます。
専門家のアドバイス:アイピック株式会社では、設置前に空間の気流分析を実施し、換気効率を損なわないパーテーション配置をご提案しています。
3D空間シミュレーションを活用することで、設置後の空気の流れを事前に可視化し、最適な配置を実現します。
また、パーテーションの材質によっても空気の流れへの影響は異なります。
完全に密閉するアクリル板と、微細な通気性を持つ特殊素材では、室内環境への影響が大きく変わります。
用途や設置場所に応じた素材選定が、感染対策と快適性の両立には不可欠です。
効果的なパーテーション選びの3つのポイント
素材選定で変わる感染予防効果
パーテーションの素材選びは、感染予防効果に直結する最も重要な判断の一つです。
現在主流となっているのは、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ガラス、そして布製パーテーションの4種類ですが、それぞれに明確な特性と適した用途があります。
アクリル樹脂製パーテーションは、透明性が高く軽量で加工しやすいという特徴があり、受付カウンターやデスク間仕切りとして最も広く採用されています。
表面が滑らかなため清掃が容易で、アルコール消毒にも強い耐性を持ちます。ただし、静電気でホコリを引き寄せやすいため、定期的な清掃が推奨されます。
ポリカーボネート製は、アクリルの約200倍の耐衝撃性を持ち、学校や医療施設など安全性が特に重視される環境に適しています。
やや価格は高くなりますが、長期使用を前提とする場合はコストパフォーマンスに優れます。また、紫外線カット機能を持つ製品も多く、窓際での使用にも適しています。
ガラス製パーテーションは、高級感と耐久性を兼ね備え、企業の役員室や高級店舗での採用が増えています。
強化ガラスを使用することで安全性も確保でき、傷がつきにくいため長期間の美観維持が可能です。
ただし、重量があるため設置には専門的な工事が必要となる場合があります。
布製パーテーションは、吸音効果があり空間を柔らかく仕切りたい場合に有効です。
抗菌・抗ウイルス加工を施した製品も登場しており、オフィスのゾーニングやリラックススペースの区切りに適しています。
ただし、飛沫遮断効果は透明素材に比べて限定的なため、主に間接的な感染対策や空間デザインの観点で選択されます。
設置場所と高さの最適化手法
パーテーションの効果を最大化するには、設置場所と高さの最適化が不可欠です。
感染症対策の観点から、最も重視すべきは「人と人が対面する場所」と「会話が発生する場所」です。
具体的には、受付カウンター、会議テーブル、デスク対向配置、レジカウンターなどが優先設置エリアとなります。
高さについては、座位での使用か立位での使用かによって最適値が異なります。
デスクワークなど座位が基本の場合、デスク面から60センチメートル以上の高さが推奨されます。
これは座った状態での顔の高さをカバーし、会話時の飛沫を効果的に遮断する高さです。
一方、立位での接客が中心となるカウンターでは、床面から150センチメートル以上が目安となります。
横幅については、対面する人の肩幅よりも両側に各15センチメートル以上の余裕を持たせることが理想的です。
これにより、斜めからの飛沫拡散も効果的に防ぐことができます。
標準的なデスク用パーテーションでは、幅60センチメートルから90センチメートルの製品が多く採用されています。
設置のプロからのアドバイス:パーテーションの設置位置は、人の動線も考慮する必要があります。
通路を塞ぐ配置や、緊急時の避難を妨げる設置は避けるべきです。ア
イピック株式会社では、消防法や建築基準法に準拠した安全な設置プランをご提案しています。
また、視線の高さも重要な考慮点です。完全に視界を遮断するパーテーションは圧迫感を生み、コミュニケーションを阻害する可能性があります。
透明素材を使用するか、上部を開放したデザインにすることで、感染対策と開放感の両立が可能になります。
特にオフィス環境では、従業員の心理的快適性にも配慮した高さ設定が生産性向上につながります。
業種別・シーン別のパーテーション活用事例
オフィス環境での実践的導入方法
現代のオフィス環境では、フリーアドレス制やオープンスペースの採用が増加しており、パーテーションの役割も多様化しています。
東京都内の大手IT企業A社では、2023年のオフィスリニューアル時に可動式パーテーションシステムを導入し、感染状況や業務内容に応じて柔軟に空間を変更できる環境を実現しました。
デスク配置においては、対向配置の場合は中央にデスクトップパーテーションを設置し、島型配置の場合は各デスクの前面にL字型パーテーションを配置する方法が効果的です。
これにより、複数方向からの飛沫を同時に防ぐことができます。特に営業部門など会話が多い部署では、この配置が標準的になっています。
会議室では、テーブル中央に十字型の大型パーテーションを設置することで、4方向からの参加者を効果的に区切る方法が普及しています。
また、ホワイトボード機能を持つパーテーションを採用することで、感染対策と業務効率化を同時に実現している企業も増えています。
会議の性質に応じて取り外し可能なタイプを選ぶことで、使用の柔軟性も確保できます。
休憩スペースやカフェテリアでは、テーブル配置を工夫したうえで、各テーブルに透明パーテーションを設置する方法が推奨されます。
食事中はマスクを外すため、特に重点的な対策が必要な場所です。
大阪の製造業B社では、食堂テーブルに十字型パーテーションと、各席の横にサイドパーテーションを追加することで、安心して食事ができる環境を整備しました。
さらに、エントランスや受付カウンターでは、ブランドイメージを損なわないデザイン性の高いパーテーションの需要が高まっています。
透明度の高いアクリルに企業ロゴをエッチング加工したり、フレームをコーポレートカラーにしたりすることで、感染対策とブランディングを両立させる企業が増えています。
店舗・接客スペースにおける効果的配置
小売店や飲食店などの接客業では、顧客との距離が近くなるため、特に効果的なパーテーション配置が求められます。
レジカウンターでは、高さ150センチメートル以上の自立式パーテーションが標準となっており、下部に商品の受け渡しスペースを設けたデザインが主流です。
美容室やネイルサロンなどのパーソナルサービス業では、施術中の至近距離でのコミュニケーションが避けられません。
横浜市内の美容サロンC店では、各セット面にアクリルパーテーションを設置しつつ、鏡への映り込みを計算した角度調整により、視覚的な圧迫感を軽減しています。
顧客満足度調査では、パーテーション設置後も「快適性が維持されている」との評価が92%を超えました。
飲食店では、テーブル席だけでなくカウンター席への対応も重要です。カウンター席では、各席の間に縦型のパーテーションを設置し、横方向の飛沫拡散を防ぎます。
同時に、カウンター上には調理スペースとの間に透明パーテーションを配置することで、調理者と顧客双方を保護します。
名古屋の人気ラーメン店D店では、この配置により安全性を確保しながら、調理の様子を見せる「ライブ感」も維持しています。
銀行や役所などの窓口業務では、据え置き型の大型パーテーションが一般的です。
ただし、高齢者や聴覚に障害のある方への配慮として、音声が聞き取りやすい通話口を設けた製品や、一部を開閉できる設計が推奨されます。
アイピック株式会社が開発した「コミュニケーション強化型パーテーション」は、音声透過性を30%向上させながらも飛沫遮断効果を維持しており、公共施設での採用が進んでいます。
業種別の成功事例:医療機関では、待合室に可動式パーテーションを導入することで、感染症の疑いのある患者を即座に隔離できる体制を構築しています。
通常時は開放的な空間として使用し、必要時のみ区切るという柔軟な運用が、限られたスペースの有効活用につながっています。
パーテーション導入で得られる複合的メリット
心理的安心感とパフォーマンス向上効果
パーテーション設置の効果は、物理的な感染防止だけにとどまりません。
慶應義塾大学経営学部の研究によると、適切なパーテーションが設置された職場では、従業員の心理的安全性が平均37%向上し、その結果として業務効率が向上するという相関関係が確認されています。
これは、物理的な遮蔽物が「守られている」という心理的安心感を生み出すためです。
特にコロナ禍以降、他者との距離に敏感になった人々にとって、パーテーションは「パーソナルスペースの境界」としての役割も果たしています。
福岡の金融機関E社では、パーテーション導入後の従業員アンケートで「ストレスが軽減された」と回答した割合が68%に達し、同時期の離職率が前年比で22%低下したというデータがあります。
さらに、パーテーションは集中力の向上にも寄与します。
視界に入る動きや周囲の視線を適度に遮断することで、自分の作業に没頭しやすい環境が生まれます。
プログラマーやデザイナーなど高度な集中を要する職種では、この効果が特に顕著に表れます。
実際、京都のソフトウェア開発企業F社では、パーテーション導入後にコーディングエラーが平均18%減少したという報告があります。
顧客や来訪者に対しても、パーテーションの存在は「この施設は安全対策を真剣に考えている」というメッセージを発信します。
消費者庁の調査では、感染対策が可視化されている店舗への信頼度が、対策が不明瞭な店舗と比較して2.3倍高いことが示されています。
この信頼は顧客ロイヤルティの向上につながり、リピート率や顧客単価の上昇という経営成果として現れます。
教育現場でも同様の効果が確認されています。
千葉県内の小学校では、各児童の机に簡易パーテーションを設置したところ、他の児童の動きが気にならなくなり、授業への集中度が向上したという報告があります。
学力テストの平均点が前年比で8%上昇したというデータもあり、学習環境の改善ツールとしても注目されています。
コスト対効果と長期的な投資価値
パーテーション導入には初期投資が必要ですが、中長期的な視点で見ると高いコストパフォーマンスを発揮します。
標準的なデスク用アクリルパーテーション(幅60センチメートル×高さ60センチメートル)の価格は、5,000円から15,000円程度ですが、耐用年数は適切なメンテナンスを行えば5年から7年に及びます。
一方、従業員が感染症で欠勤した場合のコストを考えると、パーテーション投資の価値が明確になります。
厚生労働省の試算によると、従業員一人が1週間欠勤した場合の企業の損失は、代替要員の確保や業務の遅延を含めて平均約12万円とされています。
50名規模のオフィスで、パーテーション導入により感染による欠勤を年間5件防げれば、それだけで60万円の損失を回避できる計算になります。
さらに、顧客との信頼関係構築による売上向上効果も見逃せません。
神戸の飲食店チェーンG社では、全店舗にパーテーションを設置した翌月から客数が前年同月比で15%増加し、その後も高水準を維持しています。
顧客アンケートでは「安心して食事ができる」という理由での来店が47%を占めており、パーテーション投資が直接的な収益向上につながっていることが確認されています。
メンテナンスコストも比較的低く抑えられます。
アクリルパーテーションの場合、日常的な清掃は中性洗剤または専用クリーナーでの拭き取りのみで十分です。
月間のメンテナンスコストは1枚あたり100円程度と試算されており、継続的な負担は最小限です。
ただし、傷や汚れが目立ってきた場合は、研磨サービス(1枚3,000円程度)を利用することで、新品同様の状態に回復できます。
税制面でも有利な点があります。パーテーションは備品として扱われ、多くの場合、少額減価償却資産(取得価額10万円未満)として即時経費計上が可能です。
30万円未満であれば中小企業の少額減価償却資産の特例も適用でき、初年度に全額損金算入できるため、税務上のメリットも享受できます。
投資対効果を最大化するポイント:アイピック株式会社では、企業の規模や業種に応じた最適な導入プランをご提案しています。
一括導入だけでなく、優先度の高いエリアから段階的に導入する方法も可能です。
また、リースプランもご用意しており、初期投資を抑えながら最新の製品を導入できる選択肢もございます。
環境面での配慮も、長期的な企業価値に貢献します。
アイピック株式会社が提供するパーテーションの多くは、リサイクル可能な素材を使用しており、使用後の回収・再資源化システムも整備しています。
SDGsへの取り組みが企業評価の重要指標となる現在、環境配慮型のパーテーション選択は、企業のサステナビリティ戦略の一環としても位置づけられます。
まとめ:今すぐ始めるパーテーション導入
パーテーション設置は、単なる感染症対策の枠を超え、従業員の心理的安全性向上、業務効率の改善、顧客信頼の獲得など、多面的な価値を企業にもたらします。
科学的根拠に基づいた適切な素材選定と配置設計により、投資効果を最大化することが可能です。
2025年を迎えた現在も、新たな感染症のリスクは常に存在します。
しかし同時に、ポストコロナ時代における「新しい働き方」「新しい空間デザイン」の標準が確立されつつあります。
パーテーションは、この新しい時代の空間づくりに欠かせない要素として、今後も進化を続けていくでしょう。
重要なのは、自社の業種、空間特性、利用者のニーズに最適なソリューションを選択することです。
画一的な導入ではなく、専門家の知見を活用したカスタマイズされたアプローチが、真の効果を生み出します。
アイピック株式会社は、40年以上にわたるパーテーション製造の実績と、10,000件を超える導入事例のノウハウを持つ専門メーカーです。
無料の現地調査から、3Dシミュレーションを活用した設置プランのご提案、施工、アフターメンテナンスまで、ワンストップでサポートいたします。
感染症対策と快適な空間づくりを両立させたい企業様、施設管理者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
専門スタッフが、貴社の課題に最適なソリューションをご提案いたします。安全で快適な空間づくりは、今日から始められます。
アイピック株式会社について
1983年創業のパーテーション専門メーカー。オフィス用、店舗用、医療施設用など、多様な空間に最適なパーテーションソリューションを提供しています。
自社工場での製造により高品質と短納期を実現し、全国対応可能な施工体制を整えています。ISO9001認証取得済み。
お問い合わせ:https://www.partition-lab.jp/
公開日: 2025年 | カテゴリー: オフィス環境・感染症対策 | 著者: アイピック株式会社



