26.03.02
『工場・倉庫の熱中症対策はどう変わった?』法改正のポイントと涼しい現場づくりの具体的方法を公開

★この記事で分かること★
工場・倉庫の熱中症対策は「温度計を置く」だけでは足りなくなっています。
何を根拠に、どこに手を入れ、どう運用すればよいかを、4つのテーマで整理します。
場担当になったばかりの方でも、順序立てて社内提案しやすい構成ですので、是非とも参考にお使いください。
【1. 法改正で変わった「熱中症対策」の考え方】
◆WBGTとリスクアセスメントが“現場の共通言語”になる◆
工場・倉庫の熱中症対策で重要になっているのは、暑さを「感覚」ではなく「指標」で扱うことです。
代表例がWBGT(暑さ指数)で、気温だけでなく湿度や輻射熱の影響を踏まえて危険度を評価します。
法改正や関連する通達・指針の流れの中で、現場ではリスクアセスメントの考え方がより重視され、作業の種類や場所ごとに「危険の見積もり」と「対策の優先順位」を決める運用が求められます。
例えば、同じ30℃でも、天井が高く熱だまりが起きる通路、熱源が近いライン、屋外に近い搬入口では体感も負荷も変わります。
まずはエリアを分け、WBGTや温湿度の傾向を把握し、対策前後で変化を説明できる状態をつくることが、改善を通す近道です。
◆「記録・教育・緊急対応」まで含めて対策と見なされる◆
熱中症対策は、設備を入れたら終わりではありません。 現場ルール、教育、緊急時の連絡と搬送の手順、点検・記録まで含めて、はじめて“回る仕組み”になります。
統計の観点でも、職場の熱中症はゼロではなく、厚生労働省の公表資料では近年、職場における熱中症による死傷者数は年によって変動しつつも高止まり傾向が見られます。
また、総務省消防庁の発表では、夏季の熱中症による救急搬送人員が年によって大きく増える年があり、暑さが「毎年の季節イベント」ではなく「業務リスク」になっていることが読み取れます。
こうした背景から、現場では「いつ・どこで・誰が・どの条件で」危なくなるかを想定し、予防と初動を標準化することが重要です。
※数値の最新値は年度ごとに更新されます。社内文書に反映する際は、厚生労働省「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」および総務省消防庁「熱中症による救急搬送状況」等の一次情報で最新統計をご確認ください。
【2. 解決策①「遮熱・日射・熱源」を分ける空間設計】

◆パーテーションで「熱の回り込み」を止め、涼しさを貯める◆
熱中症対策を進めるとき、多くの現場が最初にぶつかる壁が「空調を入れても効かない」です。
工場・倉庫は空間が大きく、シャッター開閉や搬入出で外気が入り、熱源も点在します。
このとき効果が出やすいのが、アイピック株式会社が得意とする工場・倉庫向けパーテーションを活用し、冷やしたい作業エリアを区画して“涼しさを逃がさない”設計にすることです。
例えば、検品や梱包など滞在時間が長い工程、品質影響が出やすい工程、休憩スペースの周辺を区画するだけでも、スポット冷房や送風機の効きが変わります。
重要なのは、完全な密閉を目指すよりも、熱気の流入経路を減らし、気流と温度のムラを抑えることです。
◆「人のための区画」が生産性と品質にも効く◆
暑さ対策は福利厚生ではなく、品質と生産性の土台です。 一般に高温環境では集中力が落ち、ミスやヒヤリハットが増えやすいと言われます。
実際に、熱ストレスが高まる環境では作業効率が下がることが多くの研究で示唆されており、現場の改善としては「冷やす」だけでなく「暑さによるバラつきを減らす」ことがポイントになります。
パーテーションでエリアを整えると、冷房の対象が明確になり、温湿度の管理点も定まります。 結果として、責任の所在が曖昧になりがちな“なんとなく暑い問題”が、改善テーマとして扱いやすくなります。
【3. 解決策② 風と空調を“効かせる”導線づくり】
◆スポット冷房・送風は「区画」とセットで費用対効果が上がる◆
全館空調が難しい工場・倉庫では、スポット冷房や大型送風機が現実解になりやすい一方、単体導入では効果が頭打ちになることがあります。
風が拡散してしまうからです。 そこで、解決策①の区画と組み合わせ、風を「当てたい場所」に集める発想が効きます。
パーテーションで作業エリアの外周を整えると、冷風が逃げにくくなり、温湿度の改善幅が読みやすくなります。
さらに、休憩スペースや応急対応エリアを涼しい側に設けることで、暑熱順化が不十分な作業者や体調が揺らぎやすい人の安全確保にもつながります。
◆搬入口・シャッター周りの“熱侵入”を減らすと体感が変わる◆
倉庫で特に効くのが、外気が入るポイントの対策です。 シャッターの開閉が多い現場では、日射と熱気が一気に侵入し、涼しくしたいエリアの温度が戻ってしまいます。
このとき、搬入口の近くにパーテーションやビニールカーテン等で緩衝帯を作り、熱い空気が作業エリアへ直通しない構造にすると、体感温度の悪化が緩やかになります。
統計として、気象庁の観測では日本の年平均気温は長期的に上昇傾向で推移しており、これまで「例外的に暑い日」だった条件が、現場の日常になりつつあります。
だからこそ、対症療法ではなく、熱が入りにくい・溜まりにくい“構造”を先に整えるのが合理的です。
【4. 解決策③ ルールと見える化で運用を回す】

◆WBGTや温湿度の「見える化」で判断を迷わせない◆
熱中症対策が形骸化しやすい理由は、現場判断が属人化するからです。
その対策として、WBGT計や温湿度計を置き、数字を起点に休憩や作業変更を判断できるようにします。
例えば「この値を超えたら休憩頻度を上げる」「この値では単独作業を避ける」といった運用は、経験の浅い担当者でも回しやすくなります。
さらに、パーテーションでエリアが区切れていると、測定点が明確になり、数値と体感のズレも小さくなりやすいです。
改善前後のデータが揃うと、次年度の予算申請や設備更新の説明も通りやすくなります。
◆教育と初動対応を「短く・具体的に」標準化する◆
万全に見える現場でも、熱中症は起きます。 だからこそ、起きたときの初動を揃える価値があります。
体調不良の申告を言い出しやすくする声掛け、離席しやすい導線、涼しい避難場所、連絡先、搬送の手順を、短く具体的な形で共有します。
休憩場所をパーテーションで区画し、外気や粉じん・騒音の影響を抑えた「落ち着ける場所」にすると、休憩の質が上がり、回復も早くなります。
結果として、暑さによる欠勤や人員の入れ替え対応が減り、現場の安定稼働につながります。
◆アイピック株式会社にご相談ください:現場に合う区画設計から一緒に整理します◆
法改正の流れで「熱中症対策を強化したい」と思っても、どこから手を付けるべきかは現場の条件で変わります。
アイピック株式会社では、工場・倉庫の動線、熱源、作業時間、休憩導線に合わせて、パーテーションを活用した暑さ対策の区画設計をご提案できます。
まずは「冷やしたい場所」と「熱の侵入口」を一緒に特定し、設備投資の効果が出やすい順に改善案を整理しませんか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。最終的な運用設計は、各事業場の安全衛生管理体制・作業実態に合わせて検討し、必要に応じて専門家へご相談ください。

